タダの情報にも価値がつく

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    経済学の中に「取引コスト」という考え方があります。
    取引コストとは、
    「経済取引を行うときに発生するコスト」のことを言います。

    何も経済学の中だけで存在する特別で特殊な考え方ではなく、
    日常の生活の中に「取引コスト」の考え方は存在します。

    食品スーパーの店頭に、飲料の自動販売機が置かれているのを
    よく見かけますね。
    缶コーヒーが120円で売られています。
    ところが、すぐ目の前の食品スーパーの中では、
    同じ缶コーヒーが98円で売られています。
    それでも、自動販売機の缶コーヒーは売れます。

    食品スーパーで98円の缶コーヒーを買うためには、
    以下の条件をクリアしなくてはいけません。

    1)スーパーが24時間営業で無い限り、スーパーの開店時間に
    合わせる必要がある。
    2)スーパーの中で缶コーヒーを見つけるために、
     店内に入って探す必要がある。
    3)レジに並んで、場合によっては待つ必要がある。

    これらが面倒なので、120円の缶コーヒーを買う人がいるのです。
    上記の1〜3の手順、つまり「面倒なこと」は、
    120−98=22円
    の「取引コスト」を支払ってでも回避したい、
    という要望があるわけですね。

    バーゲンで激安の商品が売られていても、
    交通費と時間を使って店に行き、殺到する人ごみをかき分けて
    商品を入手することを考えると、気が萎える。
    「取引コストを考えると、普段の店で買った方がマシだな」
    ということになるわけです。
    そうでなくては、バーゲン品以外のものは
    売れなくなってしまいますからね。

    さて。
    ひとつ、不思議に思っている現象があります。
    まだおおいに普及しているわけではありませんが、
    一般の人がブログで記した内容が、
    書籍になって販売されていますね。
    著者は芸能人や著名人ではなく、一般の人だったりします。
    結構売れていたりします。

    これが芸能人であれば、書籍には写真集をつけるなどして
    販売する、つまり
    「ブログで存在しなかった(写真集という)新たな価値を
    付加して販売する」
    という方法もありますが、
    一般人の著述では、写真集をつけてもあまり意味が無いように思います。

    つまり、ネットをつかって見れば、タダで入手できる情報を
    書籍で売っても売れる。という現象を、少々不思議に思うわけです。

    ネットであれば自宅で見ることが可能です。
    書籍であれば書店に赴くか(取引コスト発生)
    ネットショップで対価を支払って買う必要があります。

    モノ(情報)そのものがタダである上に、
    ネットだと取引コストもかからないように思えますね。

    にもかかわらず書籍が売れるということは、
    ネットで読むより書籍で読むメリットがあるからだ。
    と考えるほかありません。

    1)ネットでの「検索」や、「リンクをたどる」のは面倒
    2)PCの画面は、長時間見続けると目がしんどい
    3)ケータイしか使っていないので、小さな画面で大量の文章を
     読むのがしんどい
    4)持ち歩いて読みたい?(ケータイならば可能)
    5)保存して、また読み返したい
     (ネットではいつ消えるかわからない)
    6)書籍では広告などが入らず、余計な情報が排除されている
    7)書籍では情報がまとまっている
     (散在してない)・・1)6)と同じ
    8)そもそもネットなんて使わない(意外と多い)
    9)ネット上の情報は信用できないが、書籍であれば信用できる
    (必ずしもそうではありませんが、そう思っている人も多い)

    ・・・考えてみましたが、
    こうゆうことなのでしょうか。

    ある意味では「簡単、便利な」インターネット上の情報にも
    「質の高い情報を探して、
    散在している情報を自分でつなげる必要がある」
    「(人によっては)ネットの使い方を覚える」
    という取引コストが発生している、とも考えられます。

    これをもう少し一般化させると、
    たとえブログやネットを使ってタダで入手できる情報も、
    「情報を取捨選択してわかりやすくまとめる」
    ことで価値がつく。
    ということなのでしょう。

    もちろん「わかりやすくまとめる」ためにはコストがかかるので、
    現価はゼロ、というわけではありませんが、
    もともとタダだった情報が「まとめる」という加工で
    新たな付加価値が作られるわけです。
    これって、よく考えたらすごいことですよね。

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